権利関係の問題の解き方
それでは権利関係の問題の解き方についてみていきます。
以下、平成20年問1を例に解き方の解説を進めていきます。
問題を解き始める前に行うこと
まず前提として、いきなり問題を解き始めることはしないで下さい。
解き始める前に絶対にやるべきことがあります。
それは、問題文を丁寧に読み込むことです。
上図のように、
- この問題は何に関するものなのか
- この問題は正誤のどちらを判定させるものなのか
- この問題には「なお書き」はついていないか
を確認します。
例に挙げた問題では、
- 行為能力に関する民法の問題だ
- 正しい選択肢を選ばせる問題だ
- なお書きはついていない問題だ
ということが分かります。
特にその問題が正しいものを選択させるものなのか、誤っているものを選択させるのか、は注意して見るようにしましょう。
当然ながら、そこを間違えてしまうと正しい解答を出すことはできません。
出来れば、問題の端にでも大きく「○」や「×」を書いておくようにしましょう。
また、この時点でどのような問題が出題されるかを連想しておけると、なおよいです。
例に挙げた問題の場合、「行為能力」というキーワードが見えているので、制限行為能力者に関する問題が出るかな、と連想できると、スムーズに問題が解けるようになります。
文節に区切って読み進めていく
上記のように問題文を読み込んだら、いよいよ問題を解き始めますが、選択肢を読み進めていく際には、ただ何とく読み進めてはいけません。
選択肢を読み進めていく際には、下図のように文節ごとに区切って、一つ一つ丁寧にポイントとなるキーワードに着目していきます。
このとき、文節の中に、「何か間違いはないかどうか」という観点を持ちながら見ていくようにしましょう。
本問では、第一文節の中に、「成年被後見人が行った法律行為」とありますので、「取り消すことができる」という結論が来るだろう、と連想しておけるのがベストです。
必ず「検討」すること
上記の問題で、仮に成年被後見人の法律行為は取り消すことができる、と連想ができたとしても、その連想を頭に置いたまま解き進めては絶対にダメです。
連想をしたら、必ず「検討」をするようにしましょう。
その際には、特に「文末」に注意してください。
文末の肯定・否定によって解答が真逆になりますので、思い込みを捨て、下記の図のように意識的に見るようにして下さい。
図を書いて解く
権利関係の問題は、複雑な事例形式での出題が多いので、頭の中だけで考えることはせず、必ず図を書いて解くようにします。
初めのうちは、どう書いてよいか分からないかもしれませんが、訓練すればスラスラと書けるようになりますので、普段の学習から練習していくようにしましょう。
下記では、図の一例を挙げておりますので、参考にしてみて下さい。
権利関係の問題の復習の仕方
上記では権利関係の問題の解き方を示してきましたが、以下では解いた問題の復習の仕方を簡単に示していきます。
分からなければ、すぐに解答を見る
上記では、スムーズに解き進められた場合を想定していますが、普段の学習でスラスラ解ける問題ばかりではないはずです。
本試験の現場では解答を確認することはできませんが、普段の学習ではすぐに解答を見てしまって構いません。
権利関係の問題の多くは、知識の有無を問うてくるものなので、全く分からないのに、深く悩んでもあまり意味はありません。
少し考えて全く解答が思い浮かばない場合は、すぐに解答を見てしまいましょう。
解答を見たら、テキストの該当箇所に戻る
解答を確認したら、その関連知識を確認するため、テキストの該当箇所に必ず戻るようにして下さい。
出題されている問題では、テキストの該当箇所の知識を具体化させたものです。
問題を解答するためには、その元となる抽象的な知識をしっかりと押さえなければなりません。
次に同じような問題が出た際、解いた問題と全く同じものが出題されることはほぼありません。
権利関係に限ったことではありませんが、問題を解くこととテキストの読み込みは一体考え、できる限り問題とテキストを往復するようにしましょう。
またテキストに戻った際には、自分が間違えた箇所にマークをするなり、付箋を貼るなどして、痕跡を残すようにしましょう。(テキストの使い方についてはこちら)
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