ネットで調べると、宅建はコストパフォーマンス(いわゆるコスパ)がいいと言われているみたいなのですが、僕宅建の勉強をしていて、全然簡単ではないし、むしろものすごく難しいようにさえ感じるんです…。
宅建は本当にコスパがいいんでしょうか?
また僕は社会人で働きながら勉強しているのですが、本当にこのままで合格できるんでしょうか?
おっしゃるとおり、宅建はコスパがいいとよく聞きますね。実際に私もそう思います。
ただし、コスパがいいからといって合格し易いわけではないので、その辺りのことを詳しく説明していきますね!
目次
宅建がコスパがいいといわれる理由
まずは、宅建がどうしてコスパがいいといわれているか、について解説していきます。
かけるコストが他の士業と比べて少ない
宅建の以外にも士業と呼ばれる国家資格がありますが、それらと比べると宅建がかけるコストが比較的低いことが分かります。
かけなければいけない労力
宅建は合格するまでに、一般的に300時間必要だといわれています。
これは、行政書士試験が最低でも600から800時間、司法書士試験が最低でも3000時間必要だといわれているのに対して、圧倒的に少ないことが分かります。
仮に半年前から準備をしたとして、180日間毎日勉強するとすれば、一日1時間から2時間程度学習時間が確保できれば、合格することができるため、他の国家資格よりも労力的にコスパが良いといえるでしょう。
かけなければいけないお金
宅建は国家資格の中でも最も人気のあるものの一つです。
ですから、書店に行けば様々な参考書が売られており、国家資格の受験指導校の講座や通信教育の講座を利用しなくても、テキストや過去問集には事欠きません。
また今は昔と違い、無料で宅建の動画教材を閲覧できたり、比較的低額の通信講座やアプリなどのサービスも充実しておりますので、他の国家資格と違い、資格の受験指導校の講座や通信教育の講座を利用しなくても、十分な情報を得ることができます。
ですから、ご自身で勉強ができるのであれば、基本テキストと過去問集の購入さえすれば、1万円から3万円程度の比較的安い金額で宅建試験に挑戦することができるため、金銭面でもコスパが良いといえます。
取得すると有利な点が多い
宅建は取得した後、ご自身のスキルアップやキャリア形成をする上でも役に立つことが多いことも、宅建がコスパが良いといわれる理由の一つです。
就職・転職が有利になる
宅建は独占業務を取扱う国家資格なので、不動産会社や金融機関などでも資格者は重宝されます。
特に不動産会社では、宅建資格者を営業所において一定数おかなければならないという必置義務があるので、常に一定の求人募集があります。
勿論、資格があれば必ず採用されるわけではありませんが、全く資格がない方と比べて就職や転職活動が有利になることは間違いありません。
キャリアアップできる
宅建試験の試験範囲は多岐にわたるため、宅建を勉強するだけで、不動産に関連する様々な知識を得ることができます。
それだけでなく、宅建を取得することによって会社の評価は上り、会社によっては資格手当を貰えるところもあります。
また、宅建の試験範囲と重複がある他の国家資格も多いので、宅建を足掛かりにしてさらに難しい試験に挑戦することも可能です。
取得すると生活が変わる
宅建を取得すると、対外的な面だけではなく、ご自身の内面や生活にも変化が現れるため、実益の面でも宅建はコスパが良いといえます。
自信がつく
まず、ある程度難易度が高い国家試験に合格した、ということで大きな自信を得ることができます。
難易度はものすごく高くないとはいえ、毎年全国で20万人前後が受験する人気のある国家試験に合格できたということで得られる自信は何にも代えがたいものです。
程よい達成感
上記の自信と重複するところがありますが、半年間コツコツと頑張ってこられた結果、国家試験に合格できた暁には、程よい達成感を味わうことができます。
勿論、働きながらの勉強時間の確保は決して楽ではありませんが、それでも最難関の国家試験ではないため、ご自身のできる範囲の中で継続して勉強を続けていけば、大きな達成感を得ることができます。
次へのステップアップ
宅建試験は国家資格の登竜門といわれ、他資格との科目の重複も多い試験です。
ですから、宅建合格後さらにステップアップして、難関試験に挑戦することもできます。
また、試験だけではなく合格後、複数の国家資格を引っ提げて実務で活躍することも可能です。
宅建の次にダブルライセンスを考えている方は、以下の記事に詳細を書いておりますので、是非参考にしてみて下さい。
元気が出てきます!
ある程度難易度が高い、それが宅建
ここまで宅建はコスパがいいと述べてきましたが、合格しやすい簡単な試験かというと、必ずしもそうではありません。
以下では、宅建の難易度について解説していきます。
毎年合格率は15%前後
宅建試験には弁護士や税理士のような受験資格がありません。
誰でも挑戦が可能です。
加えて上記にも述べたように、メリットの多い国家試験です。
そのためか毎年全国で20万人前後が宅建を受験しています。
にもかかわらず、その中でも合格できるのはたった15%です。
数字だけ見ると、5人受験して4人が不合格になる試験なので、宅建は決して易しい国家試験ではありません。
試験範囲がかなり広い
宅建試験の試験範囲は次のとおりとされています。
1.土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
2.土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
3.土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
4.宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
5.宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
6.宅地及び建物の価格の評定に関すること。
7.宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
試験の基準および内容 ~ 一般社団法人不動産適正取引推進機構 ~
上記を見ても分かるように、試験範囲がかなり広いです。
ただ闇雲に勉強していても、なかなか合格に辿り着くことはできません。
これらを全て網羅して受験に臨むのは不可能なので、ポイントを絞って対策を講じる必要があります。
攻略にどうしても時間がかかる
宅建試験の出題のほとんどが法律に関する問題です。
法律はそれぞれが絡み合っている部分も多く、その法律全体をある程度学習してからでないと理解できない箇所もあるので、知識を習得するまでにどうしても時間がかかります。
ですから、初学者のうちはその難しさにやられてしまい、途中で挫折してしまうこともよくあるのです。
勿論全てが完璧になって宅建試験に臨む必要はありませんが、合格のためには一定のレベルまで引き上げなければならないため、そこにたどり着くまで諦めずに勉強を続けることが必要になります。
メリットが大きいってことは、それだけ労力をかけなきゃいけないってことですね…。
どういう人が宅建に合格できるのか
では、実際にどういう人が宅建に合格できるのでしょうか。
以下、実際に宅建試験一発合格した、私の見解を申し上げていきます。
宅建合格者の特徴とは
宅建合格者には私自身も含めて、次のような特徴があると思います。
素直である
宅建試験は出題範囲が広いものの、よく出題される箇所はだいたい決まっています。
ですから、ご自身が選んだテキストや講座のとおり進めていけば、基本的にはまわりみちせず、合格にたどり着けるはずです。
しかし社会人受験生には、今まで生きてきた中で培ってきた、自分なりの方法論や考え方があります。
それらに固執してしまうと、思わぬところで躓いてしまい、逆に合格から遠ざかってしまうことがあります。
ですから、基本的なことではありますが、やるべきことを疑うずにやることができる、素直な受験生が合格に最短距離でたどり着くことが多いです。
ぶれない
今の時代、色々なところで宅建試験に関する情報を得ることができます。
情報が安価に手軽に収集することが出来るようになった反面、それらに影響されて宅建の勉強を辞めてしまう方がたまにいらっしゃいます。
また社会人受験生は、日々多忙な生活をしながらの勉強になりますので、ときには「もう続けられない」と心を折られる場面も出てくると思います。
そういった場合にも、ぶれずに最後まで勉強を続けられる方が当然ながら合格をすることができるのです。
コツコツと続けられる
宅建の勉強はときにとても単調な反復練習を伴います。
- 同じテキストを何度も読む
- 同じ問題を何度も解く
- 何度も同じ間違え方をして、それを繰り返し復習する
いずれも初めのうちは耐えられますが、それが何度も繰り返されると、飽きてきて途中で嫌になってきます。
宅建に合格するためには、それでもコツコツと続けなければなりません。
宅建の合格者は私自身も含めて、この単調な反復練習をコツコツ続けて合格しています。
自分は合格する、と決めている
宅建試験は、ほとんどの受験生にとっての生活に必須なものではありません。
仮に宅建の勉強を諦めたとしても、誰からも責められることはありません。
また逆に頑張って勉強を続けたとしても、基本誰からも褒められることはありません。
そういった周りの状況に左右されることなく、ただ自分が宅建に合格したいから続けている、という強い意志で勉強を続けている方が結果を出しております。
参考までに、私が宅建試験に半年間で一発合格したときの記事がありますので、具体的な勉強方法が気になる方はこちらを是非ご覧下さい。
自分は合格できるのか
社会人でこれから宅建を目指す方、あるいは既に勉強を始めているけれど少し続けることを迷っている方は、「自分は本当に合格するのか」と不安に思っている方もいらっしゃるはずです。
- 勉強自体かなり久しぶり
- 法律なんて勉強したことない
- フルタイムで働いているから時間がない
- なかなか長続きしない性格だから
宅建の勉強をする、あるいは勉強を続けることを迷っている方の理由も様々なはずです。
ご自身が宅建に合格できるのか、という問いには明確な答えはありません。
上記の宅建合格者の特徴を見て、ご自身がどれに当てはまっているか、あるいは当てはまっていない項目はどれか、を見比べてみて下さい。
合格者との差異を無くしていくことこそ、宅建合格への近道となります。
なお、別記事でなかなか合格できない受験生の特徴について解説しておりますので、気になる方はこちらも併せてご覧ください。
合格者はどういう勉強をして合格したのか
以上、宅建の難易度と合格者の特徴についてみてきましたが、実際に合格者がするべき勉強方法はどのようなものでしょうか。
詳しくは別の記事にアップしますので、こちらを参考にしてみて下さい。
また、具体的な勉強方法を知りたい方は、お気軽にあかつき塾までお問い合わせ下さい!
小林先生、ありがとうございました!
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